卓上に本棚が欲しい
卓上用の本棚は小さなサイズは既製品が売っていますが、大きいサイズは選択肢が少なくて高さがあるものは探してもほとんど見つけられないんですよね。
テーブルや机の強度などの問題だったり、高いと倒れる可能性があるので大型なものは販売するのが難しいです。
それでも卓上で大きな本棚が欲しいのであれば、自分で作ってみてはいかがでしょう?
この記事ではディアウォールというツーバイフォーなどに取り付けてツッパリ棒みたいにできるアイテムを使って、高さのある卓上の本棚を自分で作った方法を紹介します。
ホームセンターなどで購入できる建築用建材。専用のパーツがたくさんあるので、DIYでも大人気の木材。ワンバイフォーなど色々なサイズがある。
卓上本棚のサイズと形を決める
天井と机にディアウォールという木材がツッパリ棒のようになるDIYのアイテムを使って本棚を作っていきます。


天井に突っ張ることで倒れ留めの補強ができるので、高い本棚を作ることができました。

まずは作りたい卓上本棚のサイズを決めましょう。
本棚の幅を決めるのと、テーブルの上から天井までの寸法が必要になります。
あと、机の天板の強度の問題になってしまいますが、手で押してグニャグニャ曲がるような天板だと強度的に不安です。
その時は机に補強が必要になるかもしれません。

そこまで柔らかい天板はあまりないけど、幅が長い場合は要チェック
これは下のテーブルも自分で作ったので、いちおう内側は本棚の脚と同じ位置に脚を取り付けました。


作りたい本棚のサイズが決まったら、これを元にかんたんな設計図を描いていきます。
好きなサイズの本棚を机のうえに乗せて、倒れ留めのツッパリ棒を本棚から天井に向かってとりつけるという方法もありますが、今回の作り方のほうが統一感もあって見た目が良いかと思います。
倒れないための仕組みとしては似たようなものなので、見た目にこだわらなければ既存の本棚を買ってきて突っ張り棒で天井に突っ張る方法もありです。
設計図を描く
設計図といっても、手書きで紙に寸法を書く程度で問題ありません。
- 机から天井までの寸法
- 本棚の幅と奥行き
- 棚の高さ
を決めます。
以下の設計図は正面から見た時です。


床から天井が2450mmで机の上が床から720mmだったので、机の上から天井までの高さは1730mmです。
本棚に何を入れるかによりますが、棚の高さや奥行きは以下を参考にしてみてください。
判型 | (奥行き×高さ) | 本の種類 |
---|---|---|
A4判 | 210×297 | 写真集・美術全集など |
B5判 | 182×257 | 週刊誌・一般雑誌など |
A5判 | 148×210 | 学術書・文芸雑誌など |
B6判 | 128×182 | 単行本など |
小B6判 | 112×174 | マンガコミックなど |
棚は全体の幅から柱で使う木材の厚みを引けばOKです。
棚の高さと幅は、使う材料に合わせて計算してください。



今回はツーバイシックスだから、本棚の幅600mmからツーバイ材の厚み38mm×2を引いた524mmが棚の幅になるよ
卓上本棚をDIYするのに必要な材料
- ツーバイシックス(柱用)
- 棚部分の木材
- ツーバイシックス用のディアウォール
- L型の金物
- フック用の金具
- ビス
- 紙やすり
- ブライワックス(塗料)
材料費:約9,000円
※塗料などはだいたい使った分で計算しています。
柱部分はツーバイシックスを使ったので、ディアウォールもツーバイシックス用です。
一般書籍をしまう本棚としては、バイシックス以下だと本がだいぶはみ出してしまいます。
棚部分はこの本棚が乗っている机を作ったときにあまった「メルクシパイン集成材」を使っています。※メルクシパイン集成材で材料費を計算しているので少し高いです。
今回は柱であるツーバイシックスの幅140mmよりも棚板の幅190mmと広くしましたが、これは壁にでっぱりがあるので柱は出っ張りをかわしつつ棚は壁につけたかったためです。


棚の奥行きが柱と同じでよければ棚部分はワンバイシックスでも問題ありません。
好みの問題ですが、個人的には棚部分はツーバイ材だと厚すぎる感があるのでワンバイ材の方が良いかなと思います。
今回はツーバイシックス材で作っていますが、全部ワンバイエイト材(幅184mmの規格)で作っても良いかも。
このあたりは作りたい本棚のサイズや並べたい本のサイズに合わせてください。
横幅が広くて棚の薄い本棚を作るのであれば、硬めの集成材を使った方が良いです。その場合は今回使っているパイン集成材が比較的に安くて塗装もしやすいのでオススメ。
電動工具は必要?
ビスを止めるのは超頑張れば普通のドライバーでもいけますが、キリで下穴をあけるために電動ドライバーやインパクトはあった方がいいです。
ビスを打つまえに下穴をあけないと木が割れてしまうことがあるので。


カットなどはホームセンターやネット注文時にやってもらえますし、調整する程度であればノコギリでもでるので丸ノコなどのカットする電動工具はなくて大丈夫です。



木にこれくらいの加工をする程度なら安価で小さい電動ドライバーでも問題なし
卓上本棚の作り方
作り方はとても単純で、
- 木材をカットする(ホームセンターのカットサービスがおすすめ)
- 木材にやすりをかける
- 塗料を塗る(今回はブライワックス)
- ディアウォールを使って柱を天井に突っ張る
- 金具を使って棚を取り付ける
大きく分けるとこんな感じです。
先に柱に金具をとりつけてからディアウォールで柱を自立させて、最後に棚を乗せてビスでとめると高さが揃うので失敗しにくいです。
はじめにサイズを決めておくことで、ホームセンターやネットで木材を買うときにカットまでしてもらえるのでオススメです。



それじゃ、作っていこうか!
カットした木材にやすりをかけて塗料を塗りましょう。
240番のヤスリをかけて400番のヤスリで仕上げました。


塗料はブライワックス(トルエンフリー版のジャコビアン色)を使って2度塗りしました。


ブライワックスは
- 乾くのが早い
- ムラになりにくい
- 色味がメッチャ良い感じ
と個人的に大好きな塗料です。
水にそこまで強くないのが欠点ではありますが、今回は本棚なので問題ありません。
ブライワックスは温度が高いと液状ですが、低くなるにつれて固くなっていくのが特徴です。


いちど塗って乾いたらタワシやブラシでこすると紹介されていますが、普通のタワシでゴシゴシしたら傷が目立ったので800番程度のヤスリでこすりました。


写真では少し分かりにくいかもですが、ブライワックスは磨くとツヤが出てメッチャ良い感じになります。




集成材の方が均一に綺麗に塗れるけど、ツーバイ材は節などで色味が変わりそれが逆に味になって良い感じです。
塗装が下手くそでも綺麗に仕上がるブライワックスは最高。
ブライワックスのステマが終わったところで次の工程に進みます。笑
気温が高く風通しが良かったので、1時間ほど乾かして2度塗りしました。
ブライワックスが乾いたら柱部分に先に金具をつけておきます。


よく見ると金具の上にビスを打ち直した跡が見えると思いますが、ここは棚が乗って見えなくなるのでギリセーフ。
棚の間隔の計算を間違って危なかったので、やはり設計図は大事です。笑



これもDIYあるあるということで見逃しておこうか
今回は壁側の側面にフックをつけたかったので、この時点で取り付けておきました。




柱の上下にディアウォールをはめて自立させ、壁から上下で間隔を図り柱が壁と垂直に立っているか確認します。




反対側の柱も棚の幅分のところに自立させて、最初に立てた柱と垂直なるように上下で寸法を測ります。




寸法を合わせたら棚を乗せて、下穴を開けてビスで固定します。
これで完成です。


水平器といって棚などをつけるときに水平を測る工具がありますが、うちは建物が古くて天井と床のレベルがよくないので水平を取ろうとするとおそらく金具の位置がずれます。
あらかじめ金具を取り付けておいた方が棚の取り付けがはるかに簡単なのと、柱が壁にたいして垂直になっていればそんなに歪んでは見えないのでこの方法にしました。
卓上本棚を自分で作るメリット
最大のメリットは自分の求めているサイズを作れることです。
卓上本棚はそこまで種類が多くなく高さのあるものはとくに少ないので、欲しいサイズの本棚が作れるのは嬉しいポイントです。
またすでにある家具のデザインに合わせて作れるのもメリット。
複雑なデザインを自分で作るのは難しいですが、他の家具と色味を揃えたりするだけでも統一感が出てグッといい感じの空間になりますよ。
卓上本棚を自分で作るデメリット
デメリットは作るのにスペースと時間が必要なことです。
バラバラに用意して組み立てるので本棚の大きさまでのスペースはいりませんが、今回でいえば最低でも柱をねかせて塗料を塗ったり金具をつけるスペースがいります。
あとはヤスリをかけるときに木の粉が出るので、ヤスリがけは外でやった方が良いかもしれません。
金額にかんしては既存の本棚でも質にこだわらなければ安いものがあると思います。
同じ材料で作られている本棚よりは安くできると思いますが、材料や塗料、工具などを一から揃えるとそれなりに金額がかかります。
ただし、工具や使いかけの塗料を持っていたり、もしくはこれからもDIYをするのであれば費用対効果はどんどん上がっていくかと思います。
そういった意味では本棚は作りやすくてDIYを始めるのにもオススメです。
卓上本棚のDIYは初心者にもオススメ
卓上の本棚は
- 木材をホームセンターやネット注文でカットしてもらう
- やすりをかける
- 塗料を塗る
- ディアウォールを使って柱を天井につっぱる
- 金具を使ってビスで棚をつける
と、少ない工程で作ることができます。
クオリティを求めたらもちろん簡単ではありませんが、ディアウォールを使って卓上本棚を作れたら応用してハイカウンターや何もないところに扉なんかもつけられるようになるので、DIY初心者にもオススメです。
今回は卓上本棚ですが、同じ方法で床から天井までの本棚も作れますよ。
興味のある方はぜひ挑戦してみてはいかがでしょう。
コメント